長嶋茂雄さんの病気
(2004年3月8日)
ミスタープロ野球のチョウさんこと長嶋氏が脳梗塞で入院しました。報じられるところによると心源性脳塞栓で倒れられたそうです。
これは心臓内で血液の塊(血栓)ができ心臓から血流に乗って脳の血管に流れ込み狭いところを詰まらせてしまったものです。その結果その血管から酸素と栄養をもらっていた脳細胞が死んでしまい機能を失います。
脳細胞は筋肉の動きの指令を出したり言語を司る重要な役割を担っていますのでここがやられると運動麻痺や言語障害を残します。大きな脳梗塞では小渕元首相のように数日もたないこともありますが今回は中等度とのことで命には問題なさそうです。
さて、心臓の中に血の塊? と不思議に思われるかもしれませんが血液はよどむと固まる性質があります。
心房細動という不整脈は心臓にある4つの部屋のうち上2つの心房に規則正しい収縮がなくなり小刻みに震える病気です。そのため心室に血液を送り出す運動がなくなるので血液がよどむのです。
心房細動をおこした犬の心臓を見ているとちりめん皺のような収縮が波状的におこっています。なるほどこれなら血栓ができてもおかしくないと納得させられます。
ワンポイント・アドバイスにも書きましたように心房細動は決して放置しておいていいものではありません。ストレスや寝不足、自律神経の失調、心不全など様々な原因で心房細動は起こります。
脈をとって規則正しく打っていないなら心電図をとってみてください。早ければ正常な脈に戻せることもあります。
長嶋氏も人間ドックは受けていなかったのでしょうか?
一日も早い回復と復帰をお祈りしています。