ほとんどは胸壁の痛みや肋間神経痛などで心配は要りません。風邪を引き咳き込んだり、気づかぬうちに体をひねっていたりしませんでしたか?
しかし狭心症や心筋梗塞が起きていたら大変です。
今まで何ともなかったのに駅の階段を上ったり運動した時に胸痛を数秒〜数分感じるようになったらすぐに心電図を取りに来てください。30分以上続く強い痛みは心筋梗塞の可能性があります。診断がつき次第すぐに救急車で心臓カテーテル検査のできる病院に搬送せねばなりません。命にかかわる病気かどうかを調べるために躊躇せず来院してください。
心臓に病気がなくても疲れているときや寝不足の時には脈が飛ぶことがあります。それはほおっておいても心配ないものがほとんどです。
しかし心房細動や心室性期外収縮の連発があるものは脳血栓や恐ろしい心室細動になることもあります。
これらは心臓の内部を見る心エコー検査で心臓そのものに病気があるかどうかをまず診断し(弁の異常、心筋の異常、心不全)次に24時間心電図で不整脈の頻度と程度を判定します。その結果薬でコントロールできるものか物理的に不整脈の元になっているところを処置するのか決めます。心電図を取ればかなりのことが分かります。
単純に食べすぎで体重がついただけでも歩くと息切れしますがウエイトを落としても良くならないときは受診してください。
これには大きく分けて二つの原因が考えられます。呼吸器疾患か心臓病かです。ヘビースモーカーや喘息のある人はいわゆる慢性閉塞性肺疾患(COPD)が考えられますがそれらが無い人は心不全が考えられます。
心不全は何らかの原因で心臓の血液駆出作用が低下したもので全身の組織や細胞に必要な血液が回らなくなります。風邪のあとの心筋炎や心筋症の最初の症状が息切れで始まることがあり今まで心筋梗塞や弁膜症などの心臓病をやっていない方に息切れがおきたときは要注意です。
めまいは多くの場合耳鼻科疾患が関係しているようですが脳虚血発作や貧血、血圧の異常、不整脈が原因となることもあり内科的にも一度診ておいたほうがいい症状です。
一過性脳虚血発作は脳への血管が血栓などで一時的に詰まるもので糖尿病、高血圧、高脂血症、喫煙などの動脈硬化のリスクのある方は要注意です。
貧血の原因として女性の場合子宮筋腫や偏食、男性では消化管出血が隠れていることがあります。めまいで来院してこれらが早期に見つかり事なきを得た方もいます。軽いめまいと考えずに何らかの体からの危険信号と考え来院してみて下さい。
長時間立ち仕事を続けると足がむくむことがあります。
脚にたまった血液を重力に逆らって心臓に戻すには足を動かす事がいいのですが仕事中に運動はなかなかできません。 こういう時はまず自宅で丸めた座布団などに両足を10分ぐらい乗せたり風呂上りにマッサージをするといいでしょう。
しかしこれで改善しないときは前述の心不全や腎不全、あるいは他の代謝性疾患も考えなくてはいけません。単純なむくみではなく何らかの病気の兆候であるとしたら重大です。
むくみで初めて受診された患者さんが心電図をとると心拍数が一分間に150ぐらいあり(正常は60前後)心房細動という不整脈があることが分かりました。その後心臓超音波検査で拡張型心筋症と判明しました。これは心臓移植の適応にもなる難病です。
むくみが出て動悸や息切れを伴っていたらすぐに受診して下さい。
高熱が出る疾患には急性扁桃腺炎やインフルエンザがあります。特にインフルエンザはただの風邪症候群とは違い腰痛や関節痛など全身症状が強く、39度を超える発熱も珍しくなく罹患するととても苦しいものです。数年前まではインフルエンザの診断は臨床症状で行い特効薬もありませんでした。
しかし今は違います。外来で簡単に出来る迅速診断キットや抗ウイルス剤「タミフル」もあります。高熱発症後すぐに服用すればウイルスの増殖を抑えかなり症状が緩和します。
「風邪は特効薬がないので対症療法しかない。栄養つけてよく眠るしかない」というのはインフルエンザに関してはあてはまりません。
高熱と共に悪寒や筋肉痛が起きたら躊躇せず来院してください。
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